欧州分断「ロシアの次は大麻」

ドイツが大麻の所持・栽培を容認。対露、対中政策が違うEU内で新たな摩擦点が浮上。

2023年10月号 BUSINESS

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欧州連合(EU)が大きく揺れている。ウクライナ戦争勃発でロシアに対する経済制裁、ウクライナへの軍事支援を巡って、域内の不協和音が生じたのは記憶に新しいところだろう。強権化する中国に対する距離感でも加盟国間の温度差が明らかになり、さらにここにきて新たな火種がくすぶり始めた。

仏との関係さらに隙間風

「残念ながらこれまでのドイツの違法薬物政策は失敗だったと言える。今回の法案はその転換点となるだろう」。ドイツ政府のラウターバッハ保健相は8月中旬、個人が嗜好目的で大麻を所持、栽培するのを初めて認める法案を閣議決定したことを発表した。法案は年末までに施行され、2024年初めにはEUの中枢を担うドイツで「大麻合法化」が実現することになる。ドイツでは現在、大麻はコカインやLSDと並んで禁止薬物として麻薬法でリスト化されている。法案の成立後にはリストから削除され、18歳以上の成人は25グラ ………

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