卓越大に東北大「スマート研究投資」の極意

研究費の配分は「選択と集中」よりも「広く浅いばらまき」の方が、ノーベル賞級の成果を生む。

2023年10月号 BUSINESS

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「産業は学問の道場である」東北大学第6代総長本多光太郎の有名な言葉である。本多博士は当時世界最強の人工磁石であるKS磁石鋼を発明し、日本の金属工学の礎を築いた。1932年にはノーベル物理学賞候補に挙がり、「鉄鋼の父」と呼ばれた。その東北大学が東京大学と京都大学を下して「国際卓越研究大学」第一号の栄誉を射止めたのである。これにより政府が創設した「10兆円ファンド」から毎年百億円を超える支援が受けられることとなる。東北大学が「学問の道場」である産業界で果たした役割は大きい。テレビ受信などで今も使われる八木アンテナは1925年、東北大学の八木秀次博士と宇田新太郎博士によって発明された。第17代総長の西澤潤一博士は「光通信の父」「ミスター半導体」と呼ばれ、2009年にはノーベル賞候補に挙がった。愛弟子の舛岡富士夫博士はフラッシュメモリーを発明、中沢正隆博士は長距 ………

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