救出は不可能/日本人狙い撃ち 中国の「改正反スパイ法」

「地雷を踏んだらサヨウナラ」――。宗教的な諦観なくして、中国でのビジネスに踏み込めない時代を迎えてしまった。

2023年10月号 POLITICS [まるで「地雷原」]

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この夏、日本人の多くは「中国リスク」の存在を肌感覚で認識したのではないか。東京電力福島第一原発の処理水海洋放出を巡る連日数千件の「嫌がらせ電話」には呆れるほかないが、リスクの高さでは7月1日に施行された「改正反スパイ法」は桁外れの危険度だ。何が「スパイ行為」に問われるのか、予見可能性が全く成り立たない。「法の名のもとでの無法」こそ、その本質である。中国の政府もメディアも8月24日に処理水の海洋排出が始まると、日本の示す科学データを完全に無視した内外世論の扇動に明け暮れた。主な舞台はソーシャル・ネットワーキングサービス(SNS)だ。「嫌がらせ電話」の呼びかけから、電話口に出た見知らぬ日本人を罵倒するパフォーマンス動画までがSNS上で展開されていた。その低劣さは、国営の新華社通信がSNS上で試みた「世論調査」を見ればわかる。「あなたは日本が核汚染水を海洋 ………

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