物言う株主撃破「ツルハ」の危機/ボンボンに番頭無し

8月の株主総会は乗り切ったが危機は続く。カリスマ創業者の息子を支える番頭がいない。

2023年10月号 BUSINESS

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ドラッグストア全国2位のツルハホールディングス(HD)が揺れている。今期は売上高で1兆円をうかがう巨大企業。しかし実質的な創業者である会長の鶴羽樹氏と、息子で社長の鶴羽順氏が経営を牛耳っていることを「創業家の支配」とみなし、香港のアクティビスト(物言う株主)ファンドであるオアシス・マネジメントに突かれた。

功労者は取締役に出戻り

8月10日に開かれた株主総会で、オアシス側は自社が求める取締役の選任や会長職の廃止など9件の株主提案を突きつけた。賛成は3割に満たず、すべて否決されたものの、巨大流通企業の創業家による同族経営の不透明さを示すとともに、全国規模の経営統合がなかなか進まないドラッグストア業界の再編機運を喧伝するには十分だった。ツルハHDの経営体制は独特だ。会長、社長を務める鶴羽父子の脇を、傘下に収めてきた外様企業の経営者で固める。「殿」を外部からはせ参じた家来が支 ………

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