日本では「白タク」として禁じられている、一般のドライバーが自家用車で乗客を有償で運ぶ「ライドシェア（相乗り）」解禁論が活発になっている。口火を切ったのは菅義偉前首相（74）だ。8月19日の長野市の講演で訪日観光客（インバウンド）の増加によるタクシー不足で「観光地は悲鳴を上げている」とライドシェア解禁が必要との考えを示した。菅氏といえば携帯電話料金の値下げを実現させるなど、岩盤を崩す突破力で知られる。IT業界などライドシェア解禁派にとって前総理の突然の「参戦」は渡りに船といえそうだ。しかし、タクシー運転手の雇用を守りたい業界団体の支援を受ける自民党の「タクシー・ハイヤー議員連盟」や、タクシー運転手の組合から応援を受ける野党が反対に回り、抵抗勢力が多数派を占める。このためライドシェア解禁論は何度浮上しても、結論は先送りされてきた。むしろ政治圧力の ………