セブン&アイの社内からも「更迭は露骨すぎる。ご乱心」という声が漏れてくる。なぜ、井阪社長は、稀に見る強権発動したのか。
2023年9月号 BUSINESS [獅子身中の虫]
「これで豊島区長(高際みゆき氏)を説得して下さい。お願いします」5月下旬、そごう・西武の林拓二社長(当時)は、親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)の井阪隆一社長に呼ばれ、こう告げられた。独特な丁寧な物言いだったが、「命令口調に近かった」と関係者は語る。「これで」とは、西武池袋本店(東京都豊島区)の改装プラン。昨年11月、セブン&アイHDが米ファンド、フォートレス・インベストメント・グループとヨドバシホールディングス(HD)連合に売却することを決めた後の店舗の姿だった。井阪社長はこう付け加えた。「これは、そごう・西武で作成したプランであることを区長に伝えて下さい」。改装プランを見せられ、井阪社長の言葉を聞いた林社長は言葉を失った。現在、ルイ・ヴィトンなどが構えるプレステージブティックがある北ゾーンの大半をヨドバシカメラが占め、ヴィトンな ………
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