ニューヨークやサンフランシスコで商業ビルの投げ売り。東京市場も他人事ではない。
2023年9月号 BUSINESS
米国の不動産市場で「オフィスバブル崩壊」を彷彿させる商業ビルの値崩れが起きている。新型コロナによる在宅勤務の広がりでオフィス空室率が上昇していたところへ、昨年来の政策金利引き上げ、銀行融資の引き締めが重なり、市場は「三重苦」。既に商業用不動産ローンの債務不履行(デフォルト)が頻発し始めている。大規模再開発ブームで巨艦ビルが続々誕生している東京市場にとってこれは対岸の火事なのか。
ニューヨーク・マンハッタン南端部。有力投資ファンドのブラックストーンは6月、超高層ビル「ワン・リバティー・プラザ」(地上54階建て)の持ち分49%をカナダの不動産会社ブルックフィールドに売却した。このビルは2001年9月11日の同時多発テロで倒壊したワールド・トレード・センター(WTC)ビルの至近に立地し、テロ当時はWTCで起きた爆発でファサード(建物正面)のガラスが飛び散るな ………
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