手綱を握る人もなく、犬同士の呼吸も合わないとあっては、前に進むことなど望み薄だ。
2023年8月号 POLITICS
安倍晋三元首相の急逝から1年が過ぎたが、自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)の漂流が止まらない。揃って「帯に短し襷に長し」の幹部らが主導権争いに走り回る様子は、まるで「7頭立ての犬ぞり」だ。手綱を握る人もなく、犬同士の呼吸も合わないとあっては、前に進むことなど望み薄だ。犬ぞりの陣立てはこうだ。現在の安倍派は塩谷立、下村博文の両氏が会長代理を務める暫定指導体制。順当に行けば、衆院10期のベテラン塩谷氏が会長に就くところだが、いかんせん存在感は薄い。落選2回、前回2021年衆院選では立憲民主党候補に敗れ、比例重複で生き残った選挙地盤の弱さでは、派内外の抑えが利かない。下村氏も衆院9期で意欲満々だが、菅政権時代に政調会長を務めながら総裁選出馬に意欲を示し、直ちに撤回に追い込まれるなど政治判断の拙さに加え、人望も乏しい。それでも両氏を慕う中堅若手が一 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。