武田薬品がデング熱「ワクチン開発」の快挙

東大薬学部の「村社会」から決別した長谷川社長が挑戦したのが、メガファーマとの熾烈な開発競争だった。

2023年8月号 BUSINESS [塩野義製薬と真逆]

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「ワクチン国粋主義」が盛り上がっている。コロナ禍で、海外からのワクチン確保に手間取ったため、自国で生産せよという主張だ。読売新聞は2021年6月7日の社説で「国産ワクチン 政府主導で早期に実用化せよ」と論じ、同日の首相官邸における第四回医薬品開発協議会で日本製薬団体連合会は「国家安全保障の観点からの純国産COVID-19ワクチンの重要性」を訴え、国の支援を求めた。こうした声に応え、政府は日本医療研究開発機構(AMED)内に、ワクチン開発の司令塔として「先進的研究開発戦略センター(SCARDA)」を設置したが、筆者はむしろ危機感を抱く。このような対応は、世界の状況を無視した独りよがりに過ぎないからだ。パンデミック下のワクチン開発は「時間との戦い」だ。世界の英知を集めなければ間に合わない。コロナワクチンの場合も例外ではなかった。米ファイザーのワクチンは、中国・武 ………

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