言語道断! 馬脚を現した「南西諸島の守り」

北の軍事偵察衛星にお手上げ。予算がついても運用がお粗末では防衛力強化は画餅!

2023年7月号 POLITICS

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北朝鮮が5月31日に発射した軍事偵察衛星を積んだロケットは、日本の安全保障政策担当者に大きなショックを与えた。発射は失敗に終わったが、北朝鮮が高度な軍事偵察衛星を手に入れれば、ミサイル攻撃の精度向上につながる。性能や数量を考えれば北朝鮮の軍事偵察衛星に限界があるのも事実だが、日本の安保環境が悪化することは間違いない。だが、日本にとって深刻なのは、北朝鮮のミサイル運用能力が向上することだけではない。一連の対応で、日本の防衛、特に南西諸島の守りに大きな穴があることが露呈したのだ。

「デニーは信用できない」

「いったいどうなっているんだ。これは問題だぞ」首相官邸から防衛省に対して叱責の声が浴びせられたのは、北朝鮮がロケットを発射する前だった。北朝鮮が5月29日に「人工衛星」を31日以降に打ち上げると通告してきたことを受け、浜田靖一防衛相は万が一の事態に備えて破壊措置命令を発 ………

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