「アジアに縋る」前時代的アカデミー賞

大風呂敷を広げるだけ広げたSF映画「エブエブ」が7部門制覇の「怪挙」。

2023年7月号 LIFE

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3月に開かれた米アカデミー賞授賞式で、またもアジア人にスポットライトが当たった。コインランドリーを経営する中国系移民一家を中心としたSF映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(エブエブ)」が作品賞や主演女優賞など主要賞を含む7部門を制覇した。2020年に韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)が作品賞を受けたのに続きハリウッドがアジアに熱視線を向けていることを印象付ける結果となった。セクハラや性暴力を告発する「♯ミー・トゥー(私も被害者である)」や人種差別への抗議活動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」以降、同賞を主催する映画芸術科学アカデミーはダイバーシティー(多様性)を掲げ改革を進めてきた。その象徴としてアジア系が注目される風潮が定着したということだろう。しかし、カンヌなど3大国際映画では20数年 ………

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