大衆演芸界に猫八、伯山ら「色物」旋風

猫八の襲名興行は連日満席大入り。添え物的な存在だった色物に光が当たり始めた。

2023年7月号 LIFE

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大衆演芸の世界に「色物」と称する分野がある。落語中心の東京の寄席だが、そこに挟まれる漫才、奇術、太神楽、講談、声色などを色物と称している。落語一辺倒では客を飽きさせないか、の工夫である。寄席小屋の入り口に掲げられる看板(出番表)に、「色物」芸人の芸名だけが赤文字で書かれている。もっとも、漫才、コントなど笑芸が主流の上方(大阪)では、落語の方が色物扱いになるが…。その色物に、今、ちょっとした異変が起きている。最近では、江戸家小猫改め5代目猫八の襲名披露公演。動物の鳴きまね芸人の披露公演だが、連日、満席大入り。3月末の上野・鈴本演芸場から5月の国立演芸場まで都内の全寄席で行われた襲名興行を連日満席にさせた。寄席の常識として色物芸人が番組の最後を締めくくる「トリ」を取るのは襲名披露公演以外には滅多にないことだが、猫八襲名は予想をはるかに超える盛況 ………

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