事務長のぼやきシリーズ・第5弾 逆ザヤ!「ジェネリックが買えない」

メーカーの不祥事を契機に起きたジェネリックの出荷停止や出荷調整は当分、収まりそうにない……。

2023年7月号 LIFE [長く険しい価格交渉]

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外は明るいのに病院の事務長室から見える風景は暗い。西日本にある、この民間病院は今、存続の危機にあるからである。つい先ほど、薬剤部長が今年度のジェネリック薬仕入れの件で相談にやってきた。4月に「薬価改定」、医療保険で請求できる価格「薬価」が下がったのに、病院が買う「納入価」を上げたいと医薬品卸が言ってきた、交渉が難航、逆ザヤになって買えないジェネリック薬が出そうという(図1)。薬剤部は医師の処方に基づいて医薬品を調剤したり、在庫管理をしたりする部署。医薬品の正確な情報提供もすれば、購入すべき医薬品も決める。医薬品卸と価格交渉するのはさらに重要な仕事である。現在、国が定めた、保険診療で使える医薬品とその公定価格のリスト「薬価基準」には1万8197品目が収載されている(図2)。この病院で購入するのは、そのうち1300品目超。年4回、薬価基準に新薬が追加さ ………

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