ソフトバンクGが青ざめる「S&Pの格下げ」

手元流動性の大幅な増大より、アリババ株売却による資産構成の劣化と、非上場株の下落リスクを懸念。

2023年7月号 BUSINESS

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孫正義会長兼社長が率いるソフトバンクグループ(SBG)の2023年3月期決算は2期連続の大赤字となり、収益の柱である投資ファンド事業の投資損失は5兆3223億円に上った。アリババ株の更なる売却や、英半導体設計会社アームの上場申請、足元の生成AIバブルの恩恵などはプラス材料ながら、米国の景気後退懸念もあり、先行きは不透明だ。こうしたなか、米格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P)は、5月23日、SBGの長期債格付けをBB+からBBに、劣後債格付けもB+からBに各々1段階引き下げた。アウトルックは「安定的」ながら、両格付けとも「投機的要素が大きい」と定義されている。S&Pは、SBGのファンド事業が想定以上に悪化しており、「流動性と信用力が大きく悪化した状態が、今後1年程度続く」と指摘している。SBGの手元流動性は約5.1兆円に増加し、LTV(保有資産に対する負債の割合)も改善し ………

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