「企業支配権市場」の猛威/QuestHub CEO・大熊将八

国家とアクティビストが立ち上げる「企業支配権市場」。上場企業経営者のクビが容赦なく飛ぶ、業界再編戦国時代が到来する。

2023年7月号 BUSINESS [情け容赦なし!]

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標的になったセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長(写真はHPより)上場企業の経営者は株主の期待に応え続けることを責務とし結果を出せなければ解任されるか買収される。一方で力と勢いのある成長企業は、割安企業を遠慮なく買収する。こうして、各業界で再編が加速する。これが「企業支配権市場」としての株式市場の姿だ。株式とは本来、企業の所有権である。それが集まれば企業の意思決定を行うことのできる「支配権」としての性質が顕わになる。しかしこれまで、多くの日本の上場企業において株式は単なる投資や投機の対象としてしか機能してこなかった。経営陣の同意なく企業を買収したり、経営者を解任するハードルが非常に高かったために、日本には事業上の利益が出ているにも関わらず、保有している現預金や不動産などの純資産の合計より時価総額が低い、つまり株価純資産倍率(PBR)1 ………

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