「興和vs大幸薬品」怨念の株主代表訴訟

興和は大正製薬にも「株付け」しているとされ、戦火は当分収まりそうにない。

2023年7月号 BUSINESS

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市販薬業界注目の株主代表訴訟が先頃明らかになった。胃腸薬「キャベジンコーワ」などで知られる興和(名古屋市)が3月中旬、同じく「正露丸」を大黒柱とする大幸薬品で会長を務める柴田仁氏を相手取り大阪地裁に損害賠償請求訴訟を起こしたのである。一見したところ、この裁判はさもありなんといったところだ。3年前に世界中を襲った新型コロナのパンデミック下、大幸薬品は正露丸に続く看板商品である消毒剤「クレベリン」の拡販にひた走った。不安心理の高まりにより一時は欠品が続くほどの売れ行きで、2020年12月期、同社は最高益を叩き出す。増産に向け設備投資も急いだ。ところが21年に入ると、販売が急減速。過剰在庫を抱えて立ち往生し、同年12月期は売上高に匹敵する95億円もの最終赤字に転落してしまった。おまけにとんだミソもついた。大幸薬品はクレベリン商品の中でも噴霧型のものに力を入 ………

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