「崩壊寸前」酪農は日本農業の縮図

多くの農産物にも見られる問題。これを解決することが、食料安全保障につながる。

2023年6月号 BUSINESS

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日本の酪農(牛乳を生産する農業)がかつてない状況に追い込まれている。本年3月公表の中央酪農会議のアンケート調査結果によれば、離農を検討している経営者が6割、過去1カ月の経営が赤字のところが85%(昨年6月公表調査では65%)、「一番精神的に苦しいのは改善の目途がたたないこと」とする経営者が8割となっている。大地震並みの災害といってよい状況である。この最大の原因は、輸入とうもろこしを主原料とする配合飼料価格の異常な高騰(図表参照。この2年半で1.5倍。なお、飼料費は酪農の生産コストの半分)であり、そして、国内需給の緩和等により、生乳価格への転嫁がきちんとなされていないことにある。一方で、乳製品の国際市場は、最近になって少し変化が見られるが、この数年、需給がひっ迫し、価格高騰が続いてきたところであり、国内と国外で酪農の状況は、大きく異なっている。ニュー ………

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