株主総会で再任賛成率が50.59%と低水準。御年87のご老体。晩節汚す経団連元会長。
2023年6月号 BUSINESS
キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長(87)が危うく解任される事件が起きた。今年3月末に開かれた同社の定時株主総会で、御手洗氏の役員選任議案をめぐる賛成比率が、かろうじて50%を上回る異例の低水準にとどまったからだ。株主から過半数の賛成を得られなければ、御手洗氏の役員選任は認められず、経団連会長まで務めた高名な経営者が突然クビになる事態に発展するところだった。何とか御手洗氏は再任を果たしたものの、前途は多難だ。30年近くもトップに君臨する御手洗氏には社内からも老害批判が噴出し、取締役会に女性がいないなど、コーポレートガバナンス(企業統治)をめぐる問題も山積している。来年の総会に向けて役員刷新などの抜本策を迫られるのは必至だ。
東急多摩川線の下丸子駅から徒歩数分の閑静な場所にキヤノン本社がある。敷地内の桜が満開の見ごろを迎えていた3月30日に同社の株 ………
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