「10兆円大学ファンド」は干天の慈雨か

「国際卓越研究大学」の申請に10校が名乗り。「科学技術立国」再生の起爆剤になるか。

2023年6月号 BUSINESS

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文部科学省は4月4日、「国際卓越研究大学」の申請に東京大学、京都大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東北大学、筑波大学、東京科学大学、早稲田大学、東京理科大学の10校が応募したと発表した。聞きなれない東京科学大学は2024年に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合してできる大学の仮称である。「国際卓越研究大学」に認定されると、「10兆円大学ファンド」の運用益から年間数百億円規模の支援を受けられる。国立大学の基盤的経費を賄う「国立大学運営費交付金」が先細りする中、グローバルでの戦いを挑む大学にとっては「干天の慈雨」になると期待されている。

まさに「失われた30年」

日本の大学の凋落は著しい。「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」の「世界大学ランキング2023」によると、200位以内に入るのは東京大学、京都大学の2校だけである。米国の58校、英国の28校はおろか、中国の11校、韓 ………

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