行政文書とは思えない指摘ぶり。顧客に不利益を被らせている実態が露呈。
2023年6月号 BUSINESS
よもや行政文書とは思えない指摘ぶりだ。金融庁が4月21日に公表した「資産運用業高度化プログレスレポート2023」によって、日本の資産運用会社が自社の利益を優先するため、顧客に不利益を被らせている実態が露呈した。金融庁がレポートで問題視した一つが、資産運用会社のトップの実情だ。世界の大手資産運用会社は大半が独立系なので、内部からの昇進やグループ外からの就任が全体の8割近くに上るのに対し、日本の大手資産運用会社はいずれも金融機関グループの系列会社なので、銀行や証券会社といったグループ内からの就任が73%にも達する。それも短期間でコロコロと変わっていることから、資産運用会社としての成長よりも、グループ内の人事上の処遇を優先している現実が浮かび上がる。これだけでも閉口するが、このファミリービジネスについて金融庁が最も懸念しているのが「利益相反」の問題だ。 ………
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