郵貯株放出「民業圧迫」に震える地域金融機関

預金残高200兆円超。株式売り出しで融資参入の防波堤が決壊。クジラが目を覚ます時は来るか。

2023年5月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

いつか見た光景だ。2月末の全国紙に一面広告を打ったと思いきや、3月に入るとテレビCMを乱発。「見つめたい未来がある」をキャッチコピーに、株式投資をしきりに勧めるのはゆうちょ銀行だ。2月27日、ゆうちょ銀行は筆頭株主である日本郵政が株式を売り出すと発表した。売却額は約1兆2千億円と歴代5位。異例の宣伝攻勢は、巨額の株式をさばくには個人投資家の手も借りたい、という事情の表れだろう。同様の広告は、15年の日本郵政グループ3社の上場時にも見られた。ゆうちょ株売り出しの背景にあるのが、東証が設けた上場維持基準だ。プライム市場への上場要件として、東証は35%以上の流通株式比率を求めている。この点、約89%を日本郵政に握られているゆうちょ株は市場流動性に極めて乏しく、21年6月末時点での同比率はたったの8.8%だった。低い流動性を放置していれば、いずれ上場廃止となる。日本 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。