独が侵した禁忌「ポルシェ・ゲート」

欧州議会が一転してイーフューエル使用車を容認。独のごり押しでEUに広がる不協和音。

2023年5月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

「ドイツ連立政権と緊密な連携を取ってきた私たちがまさに推進役を担っている。現に、クリスティアン・リントナーはこの数日間、ほぼ毎時間、私に最新情報を提供してくれている」

低迷FDPの点数稼ぎ

ドイツ公共放送ZDFが昨年7月に流した報道番組「Die Anstalt」で、独高級車ブランド、ポルシェの最高経営責任者(CEO)であるオリバー・ブルーメ氏が自社工場で従業員に語ったとされる言葉が紹介された。「リントナー」とは財務大臣で、ドイツ連立政権の一角、FDP(自由民主党)党首も務めている。「推進役を担っている」との発言は、合成液体燃料の一種であるe-fuel(イーフューエル)を指す。当時、欧州連合(EU)は2035年以降、合成液体燃料の使用を含むすべてのエンジン車の新車販売を禁止する方向で動いていた。ブルーメ氏の発言は、自社の既得権益を守るため、EUの方針を覆そうとドイツ政権に積極的に働きかけてい ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。