東レ「ガバナンス無法地帯」は不変

13年ぶりトップ交代も所詮「日覚一強」。パンスト新社長も「企業統治の大家」の社外取締役も黙認。

2023年5月号 BUSINESS

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3月27日、13年ぶりの社長交代を発表した東レ。現社長の日覚昭広(74)の退任は既定路線だった。なにしろ同社では2017年にネットで暴露された自動車タイヤ補強材の品質データ改竄を皮切りに不正行為が続々発覚。おまけに「一番嫌いなのは外部の目とか第三者」と嘯く日覚の意向で不正の検証や原因究明調査はおざなり。東レのガバナンスに対する不信感は広がる一方だった。だが、トップ人事でも経営刷新は実現しそうにない。次期社長の大矢光雄(66)は「パンストの大矢」と呼ばれた軽量級の営業マン。代表権を持つ会長となる日覚が院政を敷くのは確実で「暗愚の経営」はまだ続く見通しだ。

マエカツ夫人が権力の源泉

「(新体制が始まる)6月以降は大矢新社長と二人三脚で新たな中期経営計画の完遂に向け邁進する」。東京・日本橋の本社で開いた社長交代発表の記者会見。会長になっても経営の実権を握ると悪びれることなく宣言し ………

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