関西電力は確信犯だ。単なる法令順守違反を超え、厳しい改革を迫る契機になるかもしれない。
2023年4月号 BUSINESS [不正閲覧]
大手電力会社による新電力の顧客情報の不正閲覧問題をめぐり、経済産業省が激怒している。大手電力の送配電部門を本体から切り離す「発送電分離」は、経産省が推進した電力自由化の根幹だった。だが、大手電力の送配電子会社が持つ新電力の顧客情報が同じグループの小売会社に大量漏洩しており、発送電分離が骨抜きにされていた実態が明るみに出たからだ。なかでも顧客情報を営業活動に利用していた関西電力への怒りは凄まじく、同省内では「社長の引責辞任を求めるべきだ」との声も上がっている。さらに今回の不祥事を受けて政府の規制改革推進会議は、大手電力の小売部門と送配電子会社の資本関係を完全に断ち切るように求める提言をまとめた。大手電力の不正閲覧問題は、単なる法令順守違反を超え、電力業界に厳しい改革を迫る「地獄の扉」を開く契機となりそうだ。
経産省は2011年の東日本大震災 ………
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