西武・西山新社長は現代版「わらしべ長者」

西山に社長を譲る後藤は、自ら新設した会長兼CEOに就く。74歳なのに権力を手放さない。これぞ老害・老残の見本である。

2023年4月号 BUSINESS [経済秘話③]

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西山隆一郎といえば2000年代、不良債権処理の戦場で激戦を潜り抜けて来た報道の古強者たちに知らぬものはいまい。あの時代を代表する広報マンである。総会屋との爛れた関係が露見した第一勧業銀行で、そして一勧など合併三行の旧行意識が抜けぬ伏魔殿のようなみずほで、彼の人懐っこい笑顔とともに、さりげなく漏らすディープなインサイドストーリーに魅せられた記者たちは少なくないはずだ。その西山がなんと4月1日付で、西武鉄道を中核とする西武ホールディングスの社長に就任する――。かつて経済ニュースの戦場を一緒に潜り抜けて来た古参記者たちには、ご同慶の至りだが、手放しで喜べないのが、これが後藤高志会長の院政に他ならないからである。西山に社長を譲る後藤はとっとと退けばいいのにもかかわらず、自ら新設した会長兼CEOに就く。もう74歳なのに権力を手放さない。我が国ではこれを老害、 ………

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