リスクを見逃した総合政策局の屋敷利紀氏は 「正義のヒーロー気取り」と酷評されている。
2023年4月号 BUSINESS
蛇口から止めどなく流れる水をぼうっと眺めていた御仁が、床が水浸しになったとたんに水道業者を叱りつける。そんな滑稽な光景が広がっている。「仕組み債」を販売する銀行や証券会社に対し、金融庁が取っている姿勢のことだ。主導するのは、同庁総合政策局の屋敷利紀審議官。検査部門を率いる責任者である。屋敷氏は「仕組み債の販売については心外でした。なぜ顧客本位の業務運営ができていないのか。びっくりしましたね」(2023年2月23日付のダイヤモンド・オンライン)とうそぶく。「金融育成庁」を自称する同庁では、最近とんと耳にすることのない厳しい発言だ。日経新聞には「行政処分も視野に入る」(22年10月13日付)とも報じられた。仕組み債の顧客被害はバブル崩壊後に自殺者まで出した変額保険トラブルを彷彿とさせる。屋敷氏の姿勢は一見頼もしく見えるが、庁内でも「どの口が言う」と顰蹙 ………
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