「ツグの一声」にKADOKAWA固唾

実力会長の影響力が消えるか残るか。社長夏野の言動は精彩を欠き、先行き五里霧中。

2023年3月号 DEEP

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東京五輪を巡る汚職事件で元会長の角川歴(つぐ)彦らが逮捕・起訴された出版社KADOKAWA。「会長のわがままについては誰も言えない」「会長に叱られることを恐れての虚偽報告」「バラ色の事業計画が作成される」。企業統治の第一人者として知られる弁護士の中村直人らがまとめた154ページに及ぶ調査報告書で断罪されたのは、映画や小説、もしくはマンガのような「過度の忖度」の実態だった。

歯切れは良いが意味不明

あるKADOKAWA社員はこう明かす。「創業家出身で、30年近くトップの座に君臨していた会長はいわば天皇。社内には鶴の一声になぞらえて『ツグの一声』があった」。歴彦が深い関心を示した事業は「会長案件」と呼ばれ、20件弱をリストアップした一覧表まで作成されていたという。東京五輪のスポンサー契約もその一つだったのだろう。KADOKAWA社内では法務部門が「資金提供は贈賄にあたる可能性がある」と繰り返し ………

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