3.11から12年! 南相馬「震災関連死」の徹底検証/福島県立医科大学医学部教授 坪倉正治

10年間で520人に及んだ南相馬市の「災害関連死」。「直接死」をはるかに上回る「間接死」こそが災害影響の大宗である。

2023年3月号 DEEP [原発事故後の教訓]

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皆さんは災害関連死という言葉を聞かれたことがあるだろうか。災害に伴う健康問題は、地震や津波といった災害の直接の影響だけに留まらず、避難や周辺の環境変化によって間接的にもたらされる。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故では、岩手・宮城・福島の被災三県において、2022年3月末現在、1万4454人の直接死に対して、3733人が間接死であったことが言われている。特に福島県では1466人の直接死に対して、2335人の間接死が報告されており、間接死が直接死を上回る。間接死は、災害影響の本体であるといっても過言ではない。この間接死を地域の自治体の委員会で「災害関連死」かどうか審査し、一家の大黒柱であれば500万円、そうでなければ250万円の災害弔慰金の交付を行うのが災害関連死の認定制度である。災害の多い我が国において、災害弔慰金の交付自体は、1974年の「災害弔慰金の支 ………

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