分割より怖いグーグル「注意散漫」

米司法省が伝家の宝刀。日本メディアは大騒ぎだが、グーグルが恐れるべきはほかにある。

2023年3月号 BUSINESS

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「米金融大手のゴールドマン・サックスやシティバンクがニューヨーク証券取引所を自ら運営しているような状態だ」。米司法省の次官補、ジョナサン・カンター(反トラスト局長)が記者会見でこう訴えたのは1月24日のことだ。この日、司法省は米8州と共同で、米IT(情報技術)大手のグーグルを提訴した。

訴訟で出遅れたMS

20世紀に石油大手のスタンダード石油や通信を独占していたAT&Tを会社分割に追い込んだ反トラスト法訴訟は司法省の「伝家の宝刀」と言える。その刃をグーグルに向けるのは2年3カ月ぶり2回目。同社の主力サービスであるネット検索に続きネット広告を俎上に載せた。ウェブサイトのいたるところで目にするバナー広告の背後では、広告枠を持つメディアと広告主をマッチングさせるオークションが行われている。グーグルはメディアが使う広告管理システム、広告主が使う入札システム、そして取引市場で高 ………

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