稀代の「夢追い人」田勢康弘さんを悼む/特別寄稿 岡崎守恭

号外速報(2月13日 17:10)

2023年2月号 LIFE [号外速報]

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田勢康弘のコラムは、いつも日曜午後12時50分過ぎのテレビ画面を思い起こさせた。最長寿番組の「NHKのど自慢」――。

日曜昼のプロ

多くの出場者の挑戦が終わり、ゲストの歌手が登場する時間である。競い、試されているような舞台なだけに、どの歌手もいつもより力を込め、どうだ、上手いだろうといった感じで歌う。会場の観客はやはり「プロは違うなあ」といった表情を見せて聞き入る。それでなくともありきたりになりがちな政治評論が溢れていた中で、田勢のそれは「プロは違うなあ」と唸らせるものだった。その力量は現状分析の鋭さにとどまらなかった。覆面作家として小説の形式で書いた未来予測も白眉だった。野党連合政権の成立、コメ市場の開放――。その後の展開は事実が小説をほぼ後追いするという展開だった。現状分析と未来予測、取材で得た頭の中にある材料でこの2つのパズルを組み立て、それを自ら解い ………

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