「黒川」の傷痕 検察幹部の失速と栄達

「検察に手を突っ込むとどうなるか」 —騒動の後始末なお。本誌既報通り女性初の総長も誕生へ。

2023年2月号 DEEP [副産物は「女性活躍」]

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1月10日付の検察人事は衝撃的だった。安倍政権が黒川弘務元東京高検検事長(司法修習35期)を検事総長含みで定年延長させた「黒川騒動」の際、政権に協力した辻裕教氏(38期)らの冷遇が続く一方、定年延長を批判して一時左遷されたと言われた小山太士氏(40期)らは栄転し、大きく明暗を分けたからだ。畝本直美広島高検検事長(同)は東京高検検事長へ異動し、次の総長がほぼ確実となった。「辻氏失脚」と「女性初の検事総長誕生へ」は本誌2020年7月号と21年9月号で報じた通り。黒川騒動の後始末がなお続く今回の人事を詳しく読み解く。検察関係者によると、総長は全ての検察官を指揮・監督し、幹部人事も法務事務次官らの意見を聞き、事実上決めている。総長の任期はおおむね2年が慣例。黒川騒動の前までは、時の政権が人事に横やりを入れにくいように、総長の候補者は数代先まで1人に絞り込み、法務 ………

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