その後の日本大学/危機管理学部に「脱田中」新学部長/ノンフィクション作家 森功

元理事長・田中の牙城「危機管理学部」の創設に関与した亀井静香や下村博文ら。政官界のネットワークを断ち切れるか。

2023年2月号 DEEP [汚れたネットワーク]

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いまだ大学のホームページにも記載されていないが、2022年12月、日大にとって大きな出来事があった。渋谷区三軒茶屋にある危機管理学部の学部長選挙である。立候補したのは、現学部長の福田弥夫(64)と教授の福田充(53)の2人だ。10歳以上離れたダブル福田による一騎打ちである。日大危機管理学部といえば、元理事長の田中英寿の肝煎りで新設されたことで知られる。16年4月の開校時に初代学部長に登用された福田弥夫は、田中の側近中の側近と目されてきた人物だ。専門は民事法学、生まれは田中と同じ青森県の八戸市である。

わずか2票差で新学部長を選出

危機管理学部のHPによれば、弥夫は1981年に日大法学部法律学科を卒業したあと、いったん大学院の博士課程に進んだが、87年に中退し、この年の4月から八戸大学専任講師として勤務した。95年4月から99年3月まで同大学教授、そこから武蔵野女子大学現代社会学部教授を経て、05年 ………

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