「車谷騒動」が招来した株価暴騰の恩恵を受けて役員報酬が水ぶくれ。後を託された島田社長ら10人以上が1億円以上の高額報酬を手にする。
2023年2月号 DEEP [経済秘話①]
東芝はいま一人の社外取締役に牛耳られている。レイモンド・ゼイジ。共同保有者のチヌーク・ホールディングスとともに東芝株を5.3%もつ投資ファンド、ファラロン・キャピタルのアジア法人のCEOを務めた男である。いまは表向きファラロンの顧問に退いているが、当然、自身が率いたファンドの利害得失にはきわめて敏感である。ゼイジは、その目線と嗅覚で東芝の取締役会に臨んでいる。ヒッピー世代の両親のもと生まれた彼は、いま53歳。ゴールドマン・サックスの投資銀行部門で働いた後、ファラロンに転じた典型的なヤッピーだ。ファラロンは、ウォール街の第一次ファンドブームの1986年に創設され、大金持ちや大学基金、慈善団体の資産運用を託されて大きくなった。そんな、よくあるファンドの一つが、東芝の命運を左右できるようになった一つ目の転機が、東芝が2017年に実施した総額6千億円の第三者割 ………
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