SMBCに「旧三井」頭取誕生の真相

「福留氏をトヨタの役員に送り込む際に、いずれ頭取にする約束で折り合いを付けていた」との臆測も。

2023年2月号 BUSINESS

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競馬に例えれば、2022年最後を飾る銀行業界のビッグイベント、三井住友銀行の頭取人事は万馬券を生む波乱の展開だった。大方の予想は外れ、新頭取(4月1日就任)に躍り出たのは専務取締役の福留朗裕氏(59)である。01年の経営統合以来、三井住友銀行で旧三井銀行出身者が頭取に就くのは初めてと主要メディアは強調するが、旧三井によるポスト奪取との見方は正しくない。旧住友が主導する三井住友フィナンシャルグループ(FG)内では、かなり以前から「次は旧三井から」が既定路線だった。理由は「宮田孝一さん(元同FG会長)への恩義」と、旧住友幹部の認識は一致していた。同FG会長として旧三井のトップに立っていた宮田氏は16年当時、苦渋の決断を下した。その恩義に報いるためである。宮田氏は21年10月に亡くなった。お別れの会で、國部毅FG会長、太田純同社長、高島誠同銀行頭取の旧住友3巨頭は「 ………

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