暴発秒読み「大王製紙」の火薬

関係者の根深い遺恨が交錯。これに業績悪化とアクティビストが加わる。まさに一触即発。

2023年2月号 BUSINESS

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海外に拠点を置くアクティビスト(物言う株主)が「今年最も注目すべき業界」と照準を定めるのは製紙業界。中でも最も関心を持っているのは「エリエール」ブランドで知られる大王製紙だという。

未遂に終わった北越TOB

大王は今期初め、2023年3月期の連結営業利益が250億円、純利益が100億円という予想を出した。しかしその後、業績下方修正を繰り返し、目下の見通しは営業利益が140億円の赤字、純損失は300億円である。急速な燃料高への対策が遅れたところに円安進行が加わったためで、足元の株価は1年前に比べてほぼ半値だ。業績悪化で昨年11月にはリストラを発表。対象は65歳未満の一定の条件を満たす管理職層 (勤続3年超)と 40歳以上の総合職一般社員層 (勤続3年超)で、規模は定めていない。「有能な中堅が殺到するのでないか」とOBは言う。社長の若林頼房は営業や総務、財務の要職を歴任して社長に就いた。バランス ………

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