自社株買いで融通した資金を20年も経ってから返済要求。訴訟の影響は実は小さくない。
2023年1月号 BUSINESS
光通信創業者、重田康光氏の資産管理会社「光パワー」が20年以上も前の貸し金を巡り東京地裁で争っている。その内容がじつに興味深い。被告は当時の光通信取締役(2000年退任)で、億円単位にも上る貸し金の使途はほかでもない光通信株の購入だったのである。裁判記録によると、光通信の株価が急騰を始めた1999年5月、重田氏はほかの取締役8人に対しいわば非公式なインセンティブプランを持ち掛けていた。重田氏個人が多額の貸し付けを行った上で取締役各自が光通信株を購入するというものだ。応じたのは7人。2億9900万円~4億9900万円が貸し付けられ、1株2万3千円で光通信株が購入された。この株はもともと重田氏が保有していたものだった可能性が高い。4カ月後、同様の話がまた重田氏により持ち掛けられる。今度は光通信が組成したベンチャーファンドへの出資を誘うものだった。この時も7人は手を挙げ ………
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