安田純平氏パスポート再発行訴訟 裁判長が「訟務局長」異動の怪

故意か過失か、主審が敵側の監督になるような異例の人事。司法への信頼とは。

2022年12月号 DEEP

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ジャーナリストの安田純平さんが国にパスポートの再発行を求めている東京地裁の訴訟で、裁判長を務めていた春名茂判事が9月1日付で検事に転官して法務省へ出向し、国の訴訟代理人(訟務検事)を統括する訟務局長に就いた。安田さん側と有志の弁護士は「裁判の公正を妨げる」として最高裁と法務省に抗議書を提出。野球で言えば、主審が試合の途中で相手チームの監督になったようなものか。あきれる人は多いだろう。安田さんはシリアの武装勢力に約3年4カ月拘束され、パスポートを奪われた。2018年10月に解放され、帰国後に再発行を申請したところ、外務省が発給を拒んだため「外国への移動の自由を保障する憲法に反する」などとして処分取り消しを求め、20年1月に提訴した。裁判所関係者によると、地裁や高裁には、裁判官3人以上と書記官らで構成する部が設けられ、その長は部総括判事と言う。東京地裁に ………

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