死屍累々の新電力「次はどこだ」

旨味のある新事業に一転、猛烈な逆風。電力自由化の目的ははや風前の灯火。

2022年12月号 BUSINESS

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東北電力と東京ガスが共同出資する「特別高圧」(供給電圧20kV以上かつ契約電力2000kW以上の事業者が利用)、「高圧」(契約電力が50kW以上)に特化した新電力大手シナジアパワー(東京)が11月末で事業を終了することを発表し、関係者を驚かせた。エネルギー大手2社がバックに付いていても「事業継続が困難」と判断せざるを得なかったのだ。主に大手電力グループから卸市場を通じて電力を調達し、小売りしている新電力の経営状況が深刻になっている。電力の市場価格が歴史的な高水準になり、財務を圧迫。経営破綻や撤退に追い込まれた新電力が相次いでいる。事業環境はさらに悪化しており、関係者は「次はどこだ」との話題で持ち切りだ。日本では、電力小売りの自由化は2000年から段階的に実施され、16年4月から全面自由化された。かつては各地域の電力会社だけが販売していた電気を、新規参入した「新 ………

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