連載 病める世相の心療内科

若者に足りない「でっち上げ能力」

2022年11月号 LIFE [病める世相の心療内科(70)]

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引きこもる子供が激増し、少なからずの子供が外来にやってくる。多彩な訴えをしたり、暴れたりする子供もいるが、むしろ引きこもり、家から出なくなって、内心、死にたいと思っている様子が感じられる子供が目立つ。おおむね13歳から17歳ぐらいの範囲である。はっきりした幻覚や妄想が認められず、本当の精神病になる手前のような兆候もうかがえるが、親が強く促しても動こうとせず、ひたすらゲームに没頭するのみという少年もいる。ともあれ意欲を高めるタイプの薬剤を投与する。それで一定の意欲の発現を見るが、少しするとまたエネルギーが切れたような状態に陥り始める。それでも元気を回復し、無事に社会生活を送れるに至ることは珍しくない。ただ、なんとか大学に入れても、中退したり、卒業にこぎつけても、就労で躓きやすい若者も結構見受けられる。生来のひ弱さとか、遺伝など内因性の問題とさ ………

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