政権浮揚の切り札で「原発回帰」が突如浮上。しかしウラン価格は高騰、次世代炉も眉唾。
2022年11月号 DEEP
元首相・安倍晋三の国葬と旧統一教会問題で蹴躓いた現首相・岸田文雄(65)は支持率回復の突破口を「原発回帰」に定めた。8月に慌ただしく現行の軽水炉を改良した「次世代革新炉」の開発・建設を指示すると、翌9月に三菱重工業や日立製作所が相次ぎ「革新炉」開発への参入を表明。どう見ても官邸と経済産業省がシナリオを描いた“出来レース”だ。
これをメディアは3.11以来の脱原発からの方針転換と大きく報じた。経団連はじめ財界は諸手を挙げて歓迎するものの、実はその背後で水を差す事態が進んでいる。原発燃料のウラン価格の急騰である。岸田が官邸で開いたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、唐突に「次世代革新炉」の開発・建設の具体策をまとめるよう指示を出したのは8月24日。その前日23日付の毎日新聞は内閣支持率が前回調査(7月16~17日)から16ポイントと大幅に下落し、3 ………
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