米政権が打ち出した「チップス法」を頼りに起死回生を狙うが、 容易ならざるリスクも抱えている。
2022年11月号 BUSINESS
「ウインテル」時代の勢いはどこへやら、マイクロプロセッサの王者、米インテルが焦っている。ずっと2番手だった同業の米AMDに引き離され、4~6月期は赤字転落と散々だ。米バイデン政権が打ち出した「チップス法」を頼りに業態転換し、起死回生を狙うが、容易ならざるリスクも抱えている。インテルが躓いたのは技術力でAMDに先行を許したからだ。同社は一つのチップに多くの機能を詰め込む技術で成功を収めた。追走するAMDは複数のチップに機能を小分けし、それを配線基板に集積する「チップレット」という新技術に挑み、圧倒的な性能差をつけ、インテルを追い抜いた。インテルも慌てて追走したが、時すでに遅し。AMDの背中は遠のくばかりだ。そこで編み出した挽回策が標準化だ。自ら主導してAMDや韓国サムスン電子、台湾TSMCなどとともにチップレットの普及を目指す業界団体「UCIe」を今年3月に立ち上 ………
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