安倍の「お弔い人事」島田、前田を官房参与に抜擢

岸田が最も重視する「人事権の行使」。安倍のお気に入りを身内に取り込み、政権批判を封じる思惑か。

2022年10月号 BUSINESS

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「やりたいことは人事」――。首相・岸田文雄を語る上でしばしば語られるエピソードだ。かつて民放番組で首相になって何に取り組むか問われ、返した答えがこれ。前首相・菅義偉に「岸田さんは中身がない」と事あるごとに揶揄される所以となった。9月1日付で政府は前防衛事務次官・島田和久と、国際協力銀行(JBIC)会長・前田匡史らを、首相のブレーン役である内閣官房参与に抜擢。気になるのは両者が7月に銃撃を受け死亡した元首相・安倍晋三の覚えがめでたかったことだ。島田は第2次安倍政権以降の首相秘書官を6年半に渡って務め、在任時に防衛相らの頭越しに北朝鮮ミサイルへの破壊措置命令を常時発令態勢に移行するなど、安倍がお気に入りの「官邸官僚」の代表と目された。今年前半、安倍が「布教」活動よろしく喧伝した「対GDP比2%」への防衛費増額の振り付け役も、島田だ。「防衛省内では、財源の ………

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