豚熱で破綻「神明畜産」のある特殊事情

国内最大級の畜産グループ。紆余曲折を経て、債権は銀座の謎の会社が保有していて…。

2022年10月号 DEEP

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全国で豚18万頭、肉牛4万8000頭を飼養するほか、食肉加工・流通の機能まで持つ国内最大級の畜産業者「神明畜産」(東京都東久留米市)と、中核会社の「肉の神明」(同)が9月9日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。神明畜産には「いざというときのメーンバンクが事実上存在しない」(金融筋)という特殊な事情がある。スポンサー選定や再建が目論見通り進むか、取引業者の不安は続きそうだ。神明畜産単体の今年3月期売上高は236億円で、肉の神明の売上高も235億円に達する。帝国データバンクによると、負債は、神明畜産が3月期末時点で約306億円、肉の神明が同約237億円。実は、取引先を中心に業界では7月から「存亡の危機に直面しているのではないか」と心配する声がでていた。きっかけは、家畜伝染病、豚熱だ。関東から関西にかけて相次いで発生しており、栃木県畜産振興課が県内4例目となる豚 ………

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