「近鉄の老害」小林会長の花道作り

バカ高い買い付け価格で有力子会社をTOB。理屈抜きで「私鉄1位」になりたかった真相。

2022年10月号 BUSINESS

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近鉄グループホールディングス(GHD)は8月10日、2023年3月期の連結売上高が1兆4720億円、連結純利益が760億円になる見通しだと発表した。従来予想の連結売上高8670億円から一気に6050億円も積み上げた。持ち分法適用会社の「近鉄エクスプレス」(KWE=Kintetsu World Express)にTOB(株式公開買い付け)をかけ、1680億円を投じて7月に完全子会社化したからだ。以前から保有していたKWE株を簿価から時価に評価替えするなどで470億円の特別利益も計上できた。近鉄GHDは鉄道、バス、タクシーなどの運輸事業、不動産事業を中心にホテル・レジャー事業、百貨店などの流通事業といった国内消費者をターゲットとする事業を主体としている。だが、B2C頼みの業態は新型コロナウイルス感染拡大の影響をもろにかぶった。個人消費が落ち込んで業績は振るわず苦戦した。経営立て直しのために早期退職制度や新規採用 ………

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