老朽化で「建て替え困難」民間病院に「廃業の嵐」

戦後、急成長してきた民間病院に立ちふさがる3つの壁。工事費を捻出できず廃業続出か。

2022年10月号 BUSINESS [病床バブル崩壊]

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外は明るいのに病院の事務長室から見える風景は暗い。西日本にある、この民間病院は今、存続の危機にあるからである。令和7年6月末で病院の本館である第1期棟が使用できなくなるのだが、建て替えのための資金調達の目途が立たないのである。設計事務所の話では、250床弱の病院を建築するのに1年半ほどの工期、その前に基本設計や実施設計、建築確認で1年以上みてほしいとのことであり、竣工後の医療機器やベッドの搬入や保健所の実地調査、患者の移送のタイミングなどを考えると既に方針を決定し本格的に設計に着手していなければならない時期になってしまっている。コロナ禍の減収もあり、資金をどうするかが決まらないまま時間だけが経過している。この病院がこのような苦境に陥っている理由の一つは耐震規制、もう一つはスプリンクラーの設置義務化、三つ目は建築費の高騰である。

「令和7年6月までに何とかしなくては」

この病院は3期に ………

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