孫正義憐れ「65歳の命からがら」

半年で約5兆円の赤字。刻々と現役の残り時間が減っていく中、「天才経営者」はどこでどう手仕舞いするつもりなのか。

2022年10月号 BUSINESS [日暮れて道遠し]

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ソフトバンクグループが8月、日本企業の四半期決算としては史上最悪となる3兆1627億円の最終赤字を計上した。前の四半期と合わせた赤字は約5兆円。さすがの孫正義も「大変恥ずかしく、戒めとしていきたい」と首を垂れた。決算発表の3日後、孫は65歳になった。刻々と現役の残り時間が減っていく中、「天才経営者」はどこでどう手仕舞いするつもりなのだろうか。この1年の孫の発言を元に読み解いてみよう。

俯く孫の後ろに顰めっ面の徳川家康

「まずこの絵から始めたいと思います」8月8日、ソフトバンクグループの決算発表はスライドに示された一枚の絵で始まった。「徳川家康三方ヶ原戦役画像」――。通称「顰(しかみ)像」。組んだ足に頬杖をつき、顔を顰める家康。1572年、三方ヶ原の戦いで武田信玄に惨敗し、命からがら逃げ帰った家康が、その敗戦を肝に銘ずるため描かせたものと伝えられている。「家康は自分のこの惨めな姿を覚えてお ………

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