「国難級」円安 「アベノミクス」の畳み方

活用できる原資は約20兆円にとどまるが、投機筋の牽制を目的とした介入も。

2022年10月号 BUSINESS

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外国為替市場では急激な円安が再燃している。9月に入り、約24年ぶりの円安水準を更新する1ドル=140円の大台を突破。これで年初来の下げ幅は30円、率にして2割を超え、変動相場制に移行した1973年以降の年間の過去最大の下落率を超えた。円安は輸入物価の上昇を通じて、秋以降の食料品の値上げを一段と加速させる恐れがあり、電力需要が増す冬場に向けてエネルギー調達コストを増幅させる、まさに「国難」といえる。未曾有の事態を乗り越えられるか――。内閣支持率の急落に直面する岸田政権にとっては命運を賭けた戦いとなるとともに「霞が関」の勢力図に地殻変動を起こす可能性がある。「円安方向に一方的に振れていることを憂慮している。これが継続するなら必要な対応を取る」──。1ドル=144円台をつけた9月7日、鈴木俊一財務相は財務省内で記者団の取材に応じ、為替介入をちらつかせて市場を牽制した ………

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