個別の贈収賄事件にとどまるはずもない。日大、ゴーンそして仏当局……。点と点がつながり始めた。
2022年9月号 DEEP [特捜部 5年越しのリベンジ戦]
東京五輪・パラリンピック大会を1年後に控えていた2020年秋。大会組織委員会のトップにいた森喜朗元首相は、後継者と目する“文教族”の側近議員につぶやいていた。「電通の高橋は危ない。どこにいくらカネを流しているのか、オレにもさっぱり分からねえんだ」森氏は、文部大臣や日本スポーツ協会会長を歴任した自他共に認めるスポーツ界の巨頭。その森氏ですら、組織委のヒラ理事に収まる電通元専務・高橋治之氏の虚々実々の姿におびえることがあったようだ。それには理由がある。20年秋、約70カ国の報道機関や記者が参加する「国際調査報道ジャーナリスト連合」(本部・米国ワシントン)が東京五輪招致委員会の不透明な資金を取り上げ、高橋氏を俎上に挙げたからである。「2億1千万円」「1億78万円」「4725万円」……。高橋氏のコンサル会社「コモンズ」の銀行口座に振り込まれた招致委の資金は総額9億円 ………
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