厚労省や周囲の専門家は流行抑制の体制維持に躍起だが、それが自己目的化し、国民の命など二の次になっている。
2022年9月号 LIFE [前年下回る「平均寿命」]
コロナ対策が迷走を続けている。なぜ、なのか。それは、我が国の対応が科学的合理性を欠いているからだ。こうなる理由の一つは、厚労省や周囲の専門家の基本姿勢にある。本稿では、この問題を論じたい。第7波の流行の真っ最中である8月4日、厚労省は自治体に対して、軽症なら医療機関の受診を控えるように呼びかけた日本感染症学会など4学会の提言を参考にするように通知した。学会提言は8月2日に出されたもので、医療機関の受診を、37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、65歳以上、基礎疾患がある人などに限定するように呼びかけている。同日、コロナ感染症対策分科会の有志のメンバーも記者会見を開き、保健所が濃厚接触者を特定しないことを容認すること、感染者数の全数把握の段階的中止、保健所による一律の健康観察の中止を求めた。彼らが緊急提言した理由として、尾身茂分科会会長は、「医療機関 ………
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