岸田流「秘書官人事」に官僚支配がくっきり

「ゴメス」こと中込正志を手元に残したい首相に対し、古巣に呼び戻したい外務省――。もつれにもつれた調整の結果。

2022年9月号 POLITICS

この夏、ある人事をめぐり外務省が揺れた。8月4日付で岸田文雄首相の秘書官で外務省出身の中込正志氏(1989年入省)が古巣に戻り、欧州局長に就任した人事だ。中込氏を秘書官に残留させたい首相に対し、呼び戻したい外務省――。もつれにもつれた調整の結果、軍配は外務省に上がった。首相官邸の意のままに官僚の人事を操った安倍晋三内閣や菅義偉内閣ではありえない事態だった。その背景を探ると、岸田内閣の政権運営スタイルが浮き彫りになる。

「第2の鈴木」になる恐れ

中込氏の人事が発表された7月26日、磯﨑仁彦官房副長官は記者会見で「適材適所の観点から行った」とそっけなく説明した。だが、中込氏の人事が決まるまでは紆余曲折があった。政府が財務省と防衛省の事務次官を交代させる人事を発表したのは6月17日のこと。同月22日には国土交通省、総務省、厚生労働省などの幹部人事が発表された。それから1カ月以上がたっ ………

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